ナイフ(Knife)
ナイフ(Knife)とは、対象を切削する為の道具(刃物)で、切削部である刃と握りの部分で構成される。武器と工具に特化したものを除く、手に持って用いる汎用の刃物を指す。日本語の「小刀(こがたなのことであり、脇差を意味する しょうとう は含まない)」、漢語の刀子(とうす)にほぼ相当する概念である。
概要
古来、ナイフは狩猟の道具として、また調理の道具として、更には様々な創作物の制作のために用いられてきた。同時に、戦闘においては、「最も基本的な武器」として使用された歴史も持つ。
硬質な素材であればどんな物からでも作成し、実用に供する事が出来る。その素材は時代とともに変化し、より加工し易く、より硬質で磨耗しにくい物に移り変わり、その加工技術も千差万別である。機能を維持するためのメンテナンス方法も、素材に応じて異なる。
取り扱い
ナイフは元来、携帯しやすいよう作られ、また実際に携帯していれば、様々な状況で用いる事が可能である。例えば1人の人間が文明から隔絶された環境に置かれても、ナイフがあるだけで、その生存確率は数倍にも跳ね上がる。また文明社会に在っても、汎用性の高いナイフが1本あるだけで、様々な専用の器具を使用しなくても、目前の問題を解決できる局面は多い。
しかしナイフは武器としても使用でき、危険な凶器と成り得る。それ故、多くの法治国家では携帯に際して制限や規則が設けられている。
日本国内において
刃物は人間の生活に欠くことのできない便利な道具であり、ことナイフはその汎用性故に様々な利便性がある。また作りによって刃物は美術品たりえる存在であるが、これと同時に銃器や刀剣の個人所有に対する制限の多い日本においては、刃物類が一般個人が入手できる武器にもなりうる側面がある。なお刃物全般に関しては、国内では銃刀法により、これの所有・運搬・携帯には、厳しい制限がある。以下に挙げるのは、日本国内で刃物を持つ人間が、最低限守る必要のある決まりである。なおこれに対して、状況によって扱いが変化する例も見られ、微罪・別件逮捕だとして批判する声もある(軽犯罪法・職務質問を参照)。通常、ナイフ(飛び出しナイフを除く)は刀剣類ではなく、その他の刃物に分類される。
- 刀剣類(刃渡りが15cm以上の刀、やり、なぎなた、あいくち)及び刃渡りが5.5cm以上の剣は所轄の公安委員会に届け出て許可を得なければ、所持(所有)自体ができない。(銃刀法二条の二及び三条による。剣の規制変更について、銃砲刀剣類等所持取締法の一部を改正する法律(平成20年法律第86号。)
- 但し調理包丁などは例外。また、日本刀に関しては“美術品”とみなされるため、各地の教育委員会に登録をするだけで所持をすることができる。
- 自動的に刃が45度以上飛び出す、いわゆる飛び出しナイフは刀剣類とみなされ(幾つかの例外となる条件があるが)基本的に所有できない。(銃刀法二条の二及び三条による)
- 但し刃自体に飛び出しボタンの構造を持たせることで、法律上の問題を回避している「セミオート」製品が、バックやカーショウなどいくつかの海外メーカー製品に存在する。
- 刃体の長さが6cm以上の刃物は、業務上などの正当性が無い場合携帯ができない。このため必要な場合は、きちんと梱包して運搬する。(銃刀法二十二条による)
- 但し刃体の長さが8cm以内のはさみ、折りたたみ式ナイフなどは例外となる。
- 刃体の長さに関係なく、正当な理由なく刃物を隠して携帯してはならない。(軽犯罪法一条の二による)
なお、ここでいう所持・運搬・携帯であるが、解釈は以下の通りである。
- 所持(所有)
- 自宅やそれに類する場所に保管しておく事。他の危険物同様に、盗難や第三者による乱用を防げる様、施錠するなどして管理・保管できる様にしなければならない。なお法表記では「所持」となっているが、持ち歩くことを指し示しているわけではなく、概念的には単に所有することを含んでいる。なお本項では以後、便宜的に法的な記述としての所持に関しては「所持(所有)」ないし「所有」とし、持ち歩くことに関しては「所持」と表現する。
- 運搬
- 梱包され、すぐには使用できない状態で持ち運ぶ事。鞄等に他の荷物とともにしまい込んでいる場合は、これら運搬と見なされる場合もあるが、ポーチやハンドバッグ等に入れて、すぐ取り出せる状態にある物は、下記の携帯と見なされる場合がある。
- 携帯
- すぐに使用に供する事が可能な状態。主にポケットの中や手中にある状態を指すが、前出の通り、ポーチやハンドバッグ等の、比較的直ぐさま出せる状態も同様である。
所持に関しては、運搬と携帯のどちらも、移動時に持っていればそのように見なされる。警察に職務質問を受けた際に、これらナイフ類を所持していた場合に、任意同行を求められる事も少なくない。また、6cm以下であっても、場合によっては軽犯罪法により処罰を受ける可能性もある。
なおキャンプ地や釣り場に行く際にナイフを所持している場合は「正当な理由」が認められることから許容範囲とされている。ただしそのような場所に到着するまでは、運搬の状態であることが社会的にも望ましいとみなされる。
「護身目的の携帯」は正当でない理由と見なされる。護身目的でナイフを携帯するとは、日常生活の道具というナイフの本来の使用法よりも、人を威嚇したり場合によっては殺傷したりするという悪用法にもっぱら注目していること、そして自衛のためであろうと他人に刃物を向けることを予め行動の選択肢に入れていることの証拠だからである。
このほか、刃物類をファッション的に持ち歩く行為に対しても社会問題視する傾向が一般に広く見られる(→有害玩具)。ことダガーのような実質的に武器として発達した形状のものに関しては、従来にてナイフの括りで販売されていたが、2008年の秋葉原通り魔事件を契機として2009年の銃刀法改正に伴い剣(武器としての刃物)として刃渡り5.5cmを超えるものの所持(所有)が禁止されるようになった。
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